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インプラント

親知らず移植の症例紹介 ~インプラントを受ける前に読んでほしい!~

2023.10.26

こんにちは。初台はまだ歯科・矯正歯科の濱田です。

「虫歯や歯周病で歯がグラグラ!今にも抜けてしまいそう・・・」

今日はそんな方に読んでほしい「親知らず移植」のお話です。

歯が抜けてしまった後の補綴治療(歯の復元治療)とったら、どんな治療を想像しますか?

きっと、インプラントや部分入れ歯、あるいはブリッジ治療を想像すると思うのですが・・・実は歯の復元治療はこの3つだけではありません。第4の選択肢として「親知らず移植」という治療があります。

親知らず移植とは?

親知らず移植とは、歯の欠損部に“嚙み合わせに不要な親知らずを移植する”という治療です。
歯を埋めるという意味においてはインプラントに近い治療ですが、インプラントとは決定的な違いがあります。その違いとは「歯根膜の有無」です。
歯根膜とは天然歯の歯根を覆う膜で、クッションの役割を果たす組織です。この歯根膜によって天然歯は、噛んだときに「硬い」「柔らかい」「痛い」といった噛み心地を感じることができます。

親知らず移植はインプラントと違って歯根膜も移植されるため、術後も「噛み心地」をしっかり得られます。しかしインプラントにおいて歯根膜の役割を果たすものはありません。それゆえ治療以前の噛み心地を得ることはできないのです。
また、親知らず移植は金属アレルギーの心配が一切ないという点もメリットです。

親知らず移植はインプラントよりもメリットが多い治療です。
難易度がとても高く施術できるドクターも少ない治療ですが、もし適応となるのならば第一選択としたい歯の復元治療です。
それでは、当院でおこなった親知らず移植の症例をご覧いただきながら、治療の流れを説明していきたいと思います。

症例紹介~親知らず移植の流れ~

↑「右下第一大臼歯」が歯根破折を起こしてグラグラになり、抜歯をせざるを得ない状況になってしまいました。
患者様は当院に何年も通っていらっしゃる方で、従前より「抜歯になってもインプラントはしたくない」と仰っていたため、今回は親知らずを移植することになりました。

さて、治療開始です。
まずは歯根破折を起こした「右下第一大臼歯」を抜歯します。

次に、ドナー歯(移植する右上親知らず)を抜去します。
ドナー歯を抜去したら、受容床(移植先の穴)の形状をドナー歯の歯根形状に合うよう調整します。
受容床の整形はスピードが命です。移植後にドナー歯がしっかり生着するかどうかは、歯根膜が生きたまま移植できるかどうかにかかっています。
ドナー歯の歯根膜は抜去した瞬間からダメージを受け始めるため、受容床の整形は慎重かつスピーディーに進めていきます。

受容床を整形し、ドナー歯を埋め込みました。

術後のレントゲン写真がこちら↓です。

「あれ?ドナー歯が小さくない?位置もここで大丈夫?」と感じるかもしれませんが大丈夫です。
術後しばらくおいてドナー歯が生着するのを待った後、矯正装置を使って適切な位置に移動させ、さらにその後被せ物をします。
(親知らず移植は1日で終わらず、期間が結構かかります。)

…とその前に、まずは移植したドナー歯の根管治療です。
移植したドナー歯の歯髄は、抜去した時点で壊死してしまいます。そのため感染予防のために抜髄処置が必要です。
ドナー歯が歯槽骨に生着したタイミングを見計らって根管治療(抜髄して根管を消毒する治療)をおこないます。

根管治療が終わったら、次は歯の移動です。
矯正装置を装着し、嚙み合わせが最適になるように移植した歯を移動させます。

下の写真は矯正中のレントゲン写真です。

この写真↓は矯正中の口腔内写真です。

左右の歯を固定元とし、移植した歯をゴムで内側に引っ張って移動させています。

 

移植治療から約半年、移植した歯の移動が終わったら後は被せ物の装着です。仮歯でしばらく経過をみた後にセラミッククラウンを被せます。
下の写真は被せ物をした後で撮影したレントゲン写真です。移植した歯がしっかり移動し、対合する歯との噛み合わせも適正化されています。

その後、経過観察を続けていますが予後は良好です。

親知らず移植の適応条件

親知らず移植の弱点は、適応条件がかなり厳しいことです。以下のような条件があります。

1)年齢が (できれば) 30歳未満→年齢と共に移植の生着率が低下します
2)虫歯のない良好な状態の親知らずが残っている→これはハードルが高いです
3)親知らずが大きすぎない→大きすぎると移植するスペースに入りません
4)移植予定歯を抜歯をする際に歯が折れない
5)歯周病がコントロールされている

条件は絶対ではなく、適応かどうかは実際診てみないとわかりません。
歯がグラグラで、医師から「いずれ抜けたらインプラントになる」と診断されている方はぜひお早めに親知らず移植の適応検査を受けに来てみてくださいね
(ご相談はお電話でお気軽にどうぞ➡03-6300-6166

親知らず移植の費用(すべて自費治療となります)

・歯牙移植術 220,000 円
・精密根管治療 154,000円
・矯正治療(1歯) 55,000円
・ファイバーポスト築造 33,000円
・セラミッククラウン 132,000円
・治療費合計 594,000円 (税込)
※2023年10月現在の治療費です。

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記事の執筆・監修者について

初台 はまだ歯科・矯正歯科
院長 濱田啓一

東京医科歯科大学大学院博士課程を修了後、大学院講師や総合病院での歯科口腔外科長などを歴任。歯科医師として様々な経験を積んだ後、初台はまだ歯科・矯正歯科を開院、院長就任。

<所属学会・研究会・団体>
日本口腔インプラント学会、R.V.TUCKER Study Clubs、米国保存修復学会(アメリカの虫歯治療の学会)、日本口腔外科学会、日本審美歯科学会、インプラント再建歯学研究会

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初台はまだ歯科・矯正歯科は、西新宿(初台駅前)にある歯科医院です。お口のメンテナンスから高度専門治療まで、地域に根ざして通いやすく質の高いの歯科医療が受けられるクリニックです。
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