こんにちは。
初台はまだ歯科・矯正歯科の濱田です。
「奥歯の根管治療を何度もしていて、これ以上治療できない。医師に抜歯するしかないと言われてしまった…」
そんな症例でお悩みだったりしませんか?
今日はそんなお悩みを抱えている方に読んでほしい
“重度虫歯を根管治療せずに治した症例”
のご紹介です。
もしあなたが「もう抜歯してインプラントにするしかないのかな…」と諦めているのだとしたら・・・、
そのインプラント治療ちょっと待ってください。
あなたの歯はインプラントせず、しかも根管治療もせずに治療できるかもしれません。
それでは一緒に症例を見ていきましょう。
根管治療すら難しい患者様Aの症状とは?
患者様は、“過去に他院で治療した奥歯”の再根管治療を求めて来院されました。
問題の虫歯は右下7番(親知らず手前の一番奥の歯)にありました。
隣の親知らずが食い込んでおり、その周囲に大きな虫歯が形成され、根管内も再感染を起こしています。
一見すると抜歯不可避な重度虫歯ではあるのですが…さて、どうやって治療するか腕の見せ所です。
治療プラン①:再根管治療
最初の選択肢は“再根管治療をおこない、この歯がダメになる限界まで使い続ける”というプランです。
しかし…この方法は予後があまり期待できそうにありません。
虫歯が大きいため削ったら歯冠部はほとんどなくなりそうですし、過去の根管治療ですでに根管壁をかなり削っているため、もう一度根管治療をすると根っこが強度不足で割れそうです。多分治療後短期間でダメになってしまうでしょう。
治療プラン②:抜歯→インプラント
再根管治療が無理そうなら、次のプランは“抜歯してインプラントする”という方法です。
一般的なインプラントのデメリット以外にデメリットはなく、多くのドクターが選択する無難な方法ではないでしょうか。
治療プラン③:抜歯→親知らずを移動させる
実は方法は上記の2つだけではありません。もう一つ奥の手があります。
その奥の手とは、
“7番を抜歯したのちに、奥にある親知らずを矯正治療で移動させて奥歯に変える”
というウルトラCです。
この方法はインプラントと比べて多くのメリットがあります。
歯並び(噛み合わせ)も綺麗になるし、インプラントと違っては食感も感じられます。
さらに、「親知らずを移植する」のではなく「矯正によって動かす」ため神経も温存でき、熱い・冷たいといった温度も感じられます。
うまくいけば「新しい奥歯が手に入る」イメージです。
ですが、デメリットもあります。
おそらく治療期間が長期にわたるであろうことと、思うように親知らずが動かずかみ合わせが適正化しないリスクがあるという点です。
結局、それぞれの治療プランのメリットとデメリットをお伝えしながら患者様と相談し、治療プラン③でいこうということになりました。
それでは、治療の流れを細かく見ていきましょう。
治療プラン③の治療の流れ
↑まずは、虫歯になってしまった右下7番を抜歯します。
↑次に、矯正治療を始めます。
抜歯した7番の位置に親知らずを少しずつ動かしていきます。
治療開始時点では、親知らずは横を向いていますね。
↑こちらは矯正治療開始から約1年半が経過したレントゲン写真です。
横を向いていた親知らずが、縦に向きはじめているのが分かりますね。
右下6番との隙間があるので、干渉する噛み合わせを調整しながら手前に引く治療を続けます。
↑こちらは矯正治療開始から2年半後が経過したレントゲン写真です。
親知らずと右下6番の隙間の違和感が無くなり、親知らずは奥歯として噛み合わせに参加をしています。
患者様も熱心に治療に取り組んでいただき大きなトラブルもなく無事に治療を終えることができました。
今回の症例「抜歯→親知らずを移動させる治療」の適応条件
1)奥歯7番の治療であり、且つ抜歯が可能な状態であること
2)抜歯する奥歯7番の隣に親知らずが生えていること
今回の症例「抜歯→親知らずを移動させる治療」の費用(すべて自費治療となります)
・メタルブラケット矯正治療費:880,000円
・矯正検査費用:44,000円
・矯正調整料 :165,000円(5500円✖︎通院回数)
・矯正用ミニスクリュー:27,500円
治療費合計:1,116,500円 (税込)
※2023年10月現在の治療費です。
「奥歯の根管治療を何度もしていて、これ以上治療できない」
「医師から抜歯してインプラントにするしかないと言われてしまった・・・」
そんなお悩みを抱えている方は、まずは私のところに相談しに来てください。
抜歯せずに済む方法が見つかるかもしれません。
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