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歯髄温存治療

神経を残すために②

2016.03.29

前回は、神経を残すための治療でステップワイズエキスカベーションのことを簡単にご説明しましたが、今日はその根拠となる論文をいくつかお示しします。

 

ステップワイズエキスカベーションは一般的に若年者で効果が期待できます。

段階的に虫歯を取ることで、本来であれば削る必要があった歯質の細菌数を減少させたり神経の上に新たに歯質(専門的には第三象牙質といいます)が添加することで神経が露出することを防げる可能性があります。

A clinical and microbiological study of deep carious lesions during a stepwise excavation using long treatment intervals. Bjorndal L, Larsen T, Thylstrup A.Caries Res 1997;31:411‒ 7.

 

 

治療手順は左から順に①虫歯をとる、②お薬を詰める、③再アプローチで虫歯を完全に除去、④最終修復といった感じです。

 

また、1回で虫歯を取りきる治療とステップワイズエキスカベーションでは神経が露出する頻度に有意に差があることがわかっています。

 

若年者の永久歯の深いう蝕に対して、段階的に虫歯を取るステップワイズエキスカべーションを行った場合と、完全に一度で除去するダイレクトコンプリートエキスカベーションを行った場合に、どちらのほうがより露髄頻度が高いかを調べた比較実験です。

 

 

8〜24週間経過観察を行ったところ、ステップワイズエキスカベーションでは、神経の露出が17.5%と有意に少なかったのです!!

両群で露髄しなかった40歯それぞれの歯髄は平均43ヶ月後も臨床症状、エックス線検査にて正常でした。また、治療の時点で未完成だった歯根は歯根発達の完了を示しました。

Pulp exposure after stepwise versus direct complete excavation of deep carious lesions in young posterior permanent teeth.

Leksell E, Ridell K, Cvek M, Mejàre I. Endod Dent Tramnatol 1996; 12: 192-196.

 

良いこと尽くめのように感じますが、継続的な通院が難しい場合にはこの治療方法を選択することができません。

 

2回にわたって長々と難しいことを書きましたが、当院では、いかなる方法にせよ、まずは神経の保存に取り組んでいきたいと思います。

歯に関することで、何かございましたらお気軽にご相談ください。

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記事の執筆・監修者について

初台 はまだ歯科・矯正歯科
院長 濱田啓一

東京医科歯科大学大学院博士課程を修了後、大学院講師や総合病院での歯科口腔外科長などを歴任。歯科医師として様々な経験を積んだ後、初台はまだ歯科・矯正歯科を開院、院長就任。

<所属学会・研究会・団体>
日本口腔インプラント学会、R.V.TUCKER Study Clubs、米国保存修復学会(アメリカの虫歯治療の学会)、日本口腔外科学会、日本審美歯科学会、インプラント再建歯学研究会

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